高次脳機能障害

高次脳機能障害とは
交通事故により,頭部に外傷を負い,意識障害を負った被害者が,意識の回復後,認知障害,行動障害,人格変性を生じ,社会復帰が困難となる状態を高次脳機能障害と呼んでいます。


認知障害 ①記憶障害,②集中力の低下,③判断力の低下,④病識の欠落等
行動障害 ①複数のことを同時に処理できない,②マナー・ルールが守れない,③行動を抑制できない等
情緒障害
人格変性
①自発性低下,②衝動性,③易怒性等

 

自賠責の認定基準 詳細は下の表もご参照下さい)

高次脳機能障害が自賠責保険において,後遺障害とし認定されるには,以下の4つが基本要素になります。
 
(1)事故による頭部外傷
(2)頭部外傷後の意識障害
(3)認知障害,行動障害,情緒障害,人格変性
(4)画像所見:脳萎縮,脳挫傷等
 
また,以下の1つにでも該当すれば,高次脳機能障害に関する調査・審査を行うことになっています(初診時の頭部外傷診断が前提)。
 
①傷病名:高次脳機能障害,脳挫傷,びまん性軸索損傷,びまん性脳損傷,脳室出血,急性硬膜外血腫,急性硬膜下血腫,外傷性くも膜下出血等
②意識障害:半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態が6時間以上,もしくは,健忘あるいは軽度意識障害が1週間以上,頭部外傷後に継続
③認知・行動・情緒障害,あるいは,高次脳機能障害に伴いやすい神経系統の障害:知能低下,思考・判断能力低下,記憶障害,記銘障害,見当識障害,注意力低下,発動性低下,抑制低下,自発性低下,気力低下,衝動性,易怒性,自己中心性など
 

対応のポイント
特に,②の意識障害については,早めに医師に,「頭部外傷後の意識障害についての所見」の記載を依頼することが重要となります。 

高次脳機能障害は,被害者本人に病気であるという自覚がないため,家族などの身近な人が気付いてあげなければ,見過ごされてしまいます。また,判断力の低下などにより,成年後見等の申立ても検討しなければならない場合も出てきます。


「事故に遭ってから人が変わったような気がする」など,些細なことでも高次脳機能障害だと疑われる症状があれば,まずは高次脳機能障害に詳しい弁護士にご相談することをお勧め致します。
 

高次脳機能障害の認定基準

等級 障害認定基準 補足的な考え方
1級1号(要介護) 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの 身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために,生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するもの
2級1号(要介護) 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの 著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって,1人で外出することができず,日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄,食事などの活動を行うことができても,生命維持に必要な身辺動作に,家族からの声掛けや看視を欠かすことができないもの
3級3号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの 自宅周辺を一人で外出できるなど,日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また声掛けや,介助なしでも日常の動作を行える。しかし記憶や注意力,新しいことを学習する能力,障害の自己認識,円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって,一般就労が全くできないか,困難なもの
5級2号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 単純くり返し作業などに限定すれば,一般就労も可能。ただし新しい作業を学習できなかったり,環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており,就労の維持には,職場の理解と援助を欠かすことができないもの
7級4号 神経系統の機能または精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの 一般就労を維持できるが,作業の手順が悪い,約束を忘れる,ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの
9級10号 神経系統の機能または精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 一般就労を維持できるが,問題解決能力などに障害が残り,作業効率や作業持続力などに問題があるもの
 

後遺障害の種類についてはこちらもご覧下さい

●後遺障害の種類 ●高次脳機能障害 ●遷延性意識障害(植物状態)
●脊髄損傷 ●眼の後遺障害 ●耳の後遺障害
●鼻の後遺障害 ●口の後遺障害 ●上肢(肩、腕)の後遺障害
●手の後遺障害 ●下肢の後遺障害 ●足指の後遺障害
●醜状の後遺障害    

 

親切丁寧にご対応致します。お気軽にご相談下さい。