交通死亡事故の慰謝料4:自賠責保険の基準

交通死亡事故の慰謝料は,自賠責保険では裁判基準よりも相当に低額になります。

裁判基準では,①一家の支柱,②母親・被害者,③その他の3分類でしたが,自賠責基準では,そのような区分ではなく,(1) 本人の慰謝料 (2) 一定の身分関係のある遺族の慰謝料 (3) 一定の扶養関係による加算,により計算します。

(1) 本人の死亡慰謝料 ・・・ 350万円

(2) 父母,配偶者,子(養父母,養子,認知した子,胎児を含む)の死亡慰謝料
 ア 1人の場合 ・・・ 550万円(本人分と合算で900万円
 イ 2人の場合 ・・・ 650万円(本人分と合算で1000万円
 ウ 3人以上の場合 ・・・ 750万円(本人分と合算で1100万円

(3) 扶養関係による加算
 (2)の中に(※),被扶養者がいる場合,200万円を加算
 → ア 加算後,本人分と合算で1100万円
    イ 加算後,本人分と合算で1200万円
    ウ 加算後,本人分と合算で1300万円

  ※ 父母・配偶者・子以外の者を扶養していても,200万円加算にはなりません。
    例:兄が弟や妹を扶養している場合   
      → 弟や妹には(2)の慰謝料は支払われず,(3)の200万円加算もありません。

以上のとおり,交通死亡事故の慰謝料は,自賠責保険の基準では350万円~1300万円となっており,裁判・弁護士の基準と比較すると相当に低額になっています。

裁判・弁護士基準については,以下のサイトをご参照ください。
 ○ 交通死亡事故の慰謝料1:一家の支柱
 ○ 交通死亡事故の慰謝料2:母親・配偶者
 ○ 交通死亡事故の慰謝料3:その他


文責:弁護士法人 大阪弁護士事務所 代表 弁護士 重次直樹
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