慰謝料
	被害者が死亡した場合の慰謝料は,被害者の遺族がⒶ被害者本人の慰謝料,Ⓑ遺族固有の慰謝料を請求することができます。慰謝料も自賠責保険の基準,任意保険の基準,裁判基準によって慰謝料の金額が大きく異なります。 → 各基準の詳細は,下の表をご参照ください。
	
	平成28年以降の赤い本基準(弁護士・裁判基準)は,1)一家の支柱で2800万円,2)母親・配偶者で2500万円,3)その他で2000万円~2500万円です。
	
	Ⓑ遺族固有の慰謝料は,民法の条文上は,被害者の「父母,配偶者及び子」について認められます(711条)が,祖父母についても認められる場合が少なくありません(→当事務所の解決事例)
	 
	
		逸失利益
	被害者が死亡したことで,本来,得られた筈の収入が,得られなかったことによる損失です。
	大きく分けて,Ⓐ労働逸失利益,Ⓑ年金逸失利益,に分けられます。年金逸失利益は,実際に年金を受領している場合以外は,なかなか認められません。
	
	Ⓐ労働逸失利益 → 詳細はこちら
	年収評価額×(1-生活費控除率)×就業可能年数のライプニッツ係数で計算されます。生活費控除率というのは,収入もなくなる代わりに,生活費もかからなくなるため,一定比率を控除するものです。就業可能年数は,原則として67歳までの年数ですが,高齢者の場合,平均余命の半分と比較して,長い方の年数を用います。
	
	Ⓑ年金逸失利益は,年金受領額×(1-生活費控除率)×平均余命のライプニッツ係数で計算されます。ただし,逸失利益性が認められないもの(遺族年金など)があります。
	
	
		葬儀費
	
		葬儀そのものにかかった費用などです。裁判基準(弁護士基準)では150万円です(赤い本,青い本,大阪基準)。大阪基準では,仏壇仏具購入費,墓碑建立費,遺体処置費用等の諸経費を含めて150万円とされ,遺体運送料については,相当額の加算余地があります。
		
		自賠責保険では領収証があれば100万円まで,なければ60万円とされています。
		
		香典返しの費用は認められません。
		  
	
		大阪地方裁判所の慰謝料基準
	
		
			
				| ケース | 慰謝料金額 | 
			
				| 一家の支柱の場合 | 2800万円 | 
			
				| その他の場合 | 2000万円~2500万円 | 
		
	
	
	
		自賠責保険の基準の慰謝料
	
		
			
				| 対象 | ケース | 慰謝料金額 | 
			
				| 被害者本人 | - | 350万円 | 
			
				| 被害者の父母,配偶者,子 | 遺族が1名の場合 | 550万円 | 
			
				| 被害者の父母,配偶者,子 | 遺族が2名の場合 | 650万円 | 
			
				| 被害者の父母,配偶者,子 | 遺族が3名以上の場合 | 750万円 | 
		
	
	
		※被害者の父母,被害者,子の中に,被害者の被扶養者がいる場合,200万円が加算されます。
		※父母には養父母を含み,子には養子,認知した子,胎児を含みます。
	 
	
		任意保険の基準の慰謝料(人身傷害保険基準)
	
		
			
				| ケース | 慰謝料金額 | 
			
				| 一家の支柱であった場合 | 2000万円 | 
			
				| 高齢者(65歳以上で一家の支柱でない場合) | 1500万円 | 
			
				| その他 | 1750万円 | 
		
	
	
		※任意保険の統一基準は廃止されており,各社の基準は公表されていませんので,ある保険会社の人身傷害保険の基準を掲載しています。
	
		人身傷害保険の基準ですので,任意保険基準と必ずしも一致するとは限りませんが,裁判基準に比べると低額になっています。